チワラスボ

魚類

Taenioides snyderi Jordan & Hubbs, 1925

チワラスボ
提供:星野和夫
目名 スズキ目
科名 ハゼ科
大分県カテゴリー 情報不足(DD)評価するだけの情報が不⾜している種
環境省カテゴリー 絶滅危惧IB類(EN)IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの
県内分布( )は過去の分布
周防灘に注ぐ水系、(別府湾に注ぐ水系)、(別府湾)
分布域
東京湾から高知県の太平洋沿岸、九州西岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海沿岸、有明海奥部、八代海、鹿児島湾
世界的分布
中国福建省から台湾西岸、トンキン湾
生育環境

河川河口域から内湾の前浜干潟に堆積した砂泥底の中。

現状
県内産の標本を精査した結果、周防灘に注ぐ水系、別府湾に注ぐ水系および別府湾で確認された。しかしながら県内における分布域は断片的であり、確認個体数も少ない。
砂泥中を生息環境とすることもあり、その詳しい生息状況に関する知見は乏しいため、今後、本属魚類を対象とした総括的な調査が必要である。
備考

本種は、レッドデータブックおおいた2011年版でチワラスボ Taenioides cirratus (Blyth, 1860) として扱っていたものの一部である。
国内におけるチワラスボ属魚類は長らくチワラスボTaenioides cirratus1種とされていたが、Kurita and Yoshino (2012)により、本種が属するチワラスボ属魚類は国内に4種生息していることが明らかになった。本種はそのうちの1種である。その後、Murdy (2018)により、チワラスボの学名が Taenioides snyderi に確定された。

【参考文献】
Kurita, T. and Yoshino, T. (2012) Cryptic diversity of the eel goby, genus Taenioides (Gobiidae: Amblyopinae), in Japan. Zoological Science, 29:538–545.
Murdy, E. O. (2018) A redescription of the gobiid fish Taenioides purpurascens (Gobiidae: Amblyopinae) with comments on, and a key to, species in the genus. Ichthyological Research, 65:454–461.