2.英彦山・犬ヶ岳地域

英彦山(ひこさん)・犬ヶ岳地域

犬ヶ岳の稜線
犬ヶ岳の稜線
サカゲイノデ
サカゲイノデ
ヒロハテンナンショウ
ヒロハテンナンショウ
クロツバメシジミ
クロツバメシジミ

英彦山・犬ヶ岳地域は大分県の北端にあって、英彦(ひこ)山(1199.5m)から犬ヶ岳(1130.9m)、経読(きょうよみ)岳(992.2m)、雁股(かりまた)山(807.2m)と連なる稜線は福岡県との県境となる。一帯は耶馬日田英彦山国定公園区域となっている。山岳地域の地質は、筑紫(つくし)溶岩並びに耶馬渓火砕流堆積物などからなり、平地は河岸段丘と沖積低地からなっている。気候は山地型で、冬季の冷え込みが厳しく降雪量も多い。山国川沿いの平地は人類文化圏の水田耕作地となり、山腹はスギ・ヒノキの植林地が広がっていて、尾根筋の一部にコナラ林やアカマツ林がみられる。山系の自然植生は稜線部分にブナ林が残り、ツクシシャクナゲが群生する。尾根ではツガ林が発達している。また、岩場では自生のヒノキ林、渓谷地形のところではシオジ林がみられるが、いずれも面積は狭い。

地域を特徴づける野生生物

[植物]サカゲイノデ〔ⅠB(EN)〕、ヒメサジラン〔Ⅱ(VU)〕、ミスミソウ〔ⅠA(CR)〕、シシンラン〔ⅠA(CR)〕、ヒロハテンナンショウ〔Ⅱ(VU)〕、トリガタハンショウヅル〔Ⅱ(VU)〕、アオバスゲ〔準(NT)〕など。

[動物]クロツバメシジミ中国地方・四国・九州内陸亜種〔ⅠA(CR)〕、オニホソコバネカミキリ〔情報不足(DD)〕など。

天然記念物

「犬ケ岳ツクシシャクナゲ自生地」(国指定)、「ゲンカイツツジ」(県指定)など。

※このページの掲載内容は絶滅危惧種カテゴリー以外は「レッドデータブックおおいた<普及版>(2002)」によっています。