5.別府湾岸及び後背地域

別府湾岸及び後背地域

別府湾の海岸崖地
別府湾の海岸崖地
オトメクジャク
オトメクジャク
カザグルマ
カザグルマ
オオイタサンショウウオ
オオイタサンショウウオ

国東半島の南東部と佐賀関半島に囲まれた別府湾岸および八坂川、大分川、大野川などの中・下流域。主として沖積地や丘陵地で、年平均気温15℃の等温線が通る常緑広葉樹林帯。年間降水量約1、800ミリ。別府湾岸は北側に砂丘及び隆起による海食崖となり、砂丘にはコウボウムギ群落、崖地にはシイ林やタブ林などの海岸林が茂る。南側の海岸は砂丘が続いていたが、臨海工業地帯となってそのほとんどは消失してしまった。後背地の低地や丘陵地も人為が強く及び、自然環境のかく乱が著しい。低地や丘陵地にはイチイガシ林、スダジイ林やアラカシ林などが発達していたが、多くはスギやクヌギの植林、マダケ林などにかわり、谷沿いには棚田が開かれている。「鎮守の森」や急傾斜地、渓谷周辺などにわずかな残存自然林をみる。

地域を特徴づける野生生物

[植物]サンショウモ〔ⅠA(CR)〕、オトメクジャク〔ⅠB(EN)〕、ツクシオオガヤツリ〔ⅠB(EN)〕、カザグルマ〔ⅠB(EN)〕、カワラサイコ〔ⅠB(EN)〕、ツクシテンツキ〔Ⅱ(VU)〕など。

[動物]ズグロカモメ〔ⅠB(EN)〕、オオイタサンショウウオ〔Ⅱ(VU)〕、カブトガニ〔ⅠA(CR)〕、ヨドシロヘリハンミョウ〔ⅠA(CR)〕、カワラハンミョウ九州亜種〔絶滅(EX)〕、ルイスハンミョウ〔ⅠB(EN)〕、ウミホソチビゴミムシ〔Ⅱ(VU)〕、オオヒョウタンゴミムシ〔Ⅱ(VU)〕、スジゲンゴロウ〔絶滅(EX)〕、コセスジダルマガムシ〔ⅠA(CR)〕、クロシオガムシ〔ⅠB(EN)〕など。

天然記念物

「内成・田代のオトメクジャク」(県指定)など。

※このページの掲載内容は絶滅危惧種カテゴリー以外は「レッドデータブックおおいた<普及版>(2002)」によっています。