カテゴリー

レッドデータブックおおいた2022 カテゴリー(ランク)と判定基準

環境省レッドリストカテゴリーと判定基準2020を基本とし、定量的要件の「出現範囲および⽣息⾯積」( 赤文字部分 )については⼤分県独⾃の基準(環境省基準の1/50)を設定した。

カテゴリーおよび基本概念 定性的要件 定量的要件
絶滅 Extinct (EX)

我が県ではすでに絶滅したと考えられる種(注1.以下同じ)

過去に我がに⽣息したことが確認されており、飼育・栽培下を含め、我がではすでに絶滅したと考えられる種

具体的には、以下のいずれかの事項を満たす場合が想定される。

  • 信頼できる調査や記録により、すでに野⽣で絶滅したことが確認されている。
  • 信頼できる複数の調査によっても、⽣息が確認できなかった。
  • 過去50年間前後の間に、信頼できる⽣息の情報が得られていない。
野⽣絶滅 Extinct in the Wild (EW)

飼育・栽培下、あるいは⾃然分布域の明らかに外側で野⽣化した状態でのみ存続している種

過去に我がに⽣息したことが確認されており、飼育・栽培下、あるいは⾃然分布域の明らかに外側で野⽣化した状態では存続しているが、我がにおいて本来の⾃然の⽣息地ではすでに絶滅したと考えられる種 (具体的要件は「絶滅」と同じ)
絶滅危惧THREATENED 絶滅危惧Ⅰ類 Critically Endangered + Endangered (CR+EN)

絶滅の危機に瀕している種

現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作⽤する場合、野⽣での存続が困難なもの。

次のいずれかに該当する種

【確実な情報があるもの】

  • 既知のすべての個体群で、危機的⽔準にまで減少している。
  • 既知のすべての⽣息地で、⽣息条件が著しく悪化している。
  • 既知のすべての個体群がその再⽣産能⼒を上回る捕獲・採取圧にさらされている。
  • ほとんどの分布域に交雑のおそれのある別種が侵⼊している。

【情報量が少ないもの】

  • それほど遠くない過去(30年〜50年) の⽣息記録以後確認情報がなく、その後信頼すべき調査が⾏われていないため、絶滅したかどうかの判断が困難なもの。
絶滅危惧ⅠA類 Critically Endangered (CR)

ごく近い将来における野⽣での絶滅の危険性が極めて⾼いもの。

  • 次のいずれかの形で個体群の減少が⾒られる場合。
    • 過去10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間(注2. 以下同じ)を通じて、90%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっており、且つ理解されており、且つ明らかに可逆的である。
    • 過去10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間を通じて、80%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。
    • 今後10年間もしくは3世代のどちらか⻑期間を通じて、80%以上の減少があると予測される。
    • 過去と未来の両⽅を含む10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間において80%以上の減少があると推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。
  • 出現範囲が2㎢未満もしくは⽣息地⾯積が0.2㎢未満であると推定されるほか、次のうち2つ以上の兆候が⾒られる場合。
    • ⽣息地が過度に分断されているか、ただ1カ所の地点に限定されている。
    • 出現範囲、⽣息地⾯積、成熟個体数等に継続的な減少が予測される。
    • 出現範囲、⽣息地⾯積、成熟個体数等に極度の減少が⾒られる。
  • C.個体群の成熟個体数が2,500未満であると推定され、さらに次のいずれかの条件が加わる場合。
    • 3年間もしくは1世代のどちらか⻑い期間に25%以上の継続的な減少が推定される。
    • 2.成熟個体数の継続的な減少が観察、もしくは推定・予測され、かつ次のいずれかに該当する。
      • 個体群構造が次のいずれかに該当
        • 50以上の成熟個体を含む下位個体群は存在しない。
        • 1つの下位個体群中に90%以上の成熟個体が属している。
      • 成熟個体数の極度の減少
    • 成熟個体数が50未満であると推定される個体群である場合。
    • 数量解析により、10年間、もしくは3世代のどちらか⻑い期間における絶滅の可能性が50%以上と予測される場合。
絶滅危惧ⅠB類 Endangered (EN)

ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。

  • 次のいずれかの形で個体群の減少が見られる場合。
    • 過去10年間もしくは3世代のどちらか長い期間を通じて、70%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっており、且つ理解されており、且つ明らかに可逆的である。
    • 過去10年間もしくは3世代のどちらか長い期間を通じて、50%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。
    • 今後10年間もしくは3世代のどちらか長期間を通じて、50%以上の減少があると予測される。
    • 過去と未来の両方を含む10年間もしくは3世代のどちらか長い期間において50%以上の減少があると推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。
  • 出現範囲が100㎢未満もしくは生息地面積が10㎢未満であると推定されるほか、次のうち2つ以上の兆候が見られる場合。
    • 生息地が過度に分断されているか、5以下の地点に限定されている。
    • 出現範囲、生息地面積、成熟個体数等に継続的な減少が予測される。
    • 出現範囲、生息地面積、成熟個体数等に極度の減少が見られる。
  • 個体群の成熟個体数が2,500未満であると推定され、さらに次のいずれかの条件が加わる場合。
    • 5年間もしくは2世代のどちらか長い期間に20%以上の継続的な減少が推定される。
    • 成熟個体数の継続的な減少が観察、もしくは推定・予測され、かつ次のいずれかに該当する。
      • 個体群構造が次のいずれかに該当
        • 250以上の成熟個体を含む下位個体群は存在しない。
        • 1つの下位個体群中に95%以上の成熟個体が属している。
      • 成熟個体数の極度の減少
    • 成熟個体数が250未満であると推定される個体群である場合。
    • 数量解析により、20年間、もしくは5世代のどちらか長い期間における絶滅の可能性が20%以上と予測される場合。
絶滅危惧Ⅱ類 Vulnerable (VU)

絶滅の危険が増⼤している種

現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作⽤する場合、近い将来「絶滅危惧Ⅰ類」のカテゴリーに移⾏することが確実と考えられるもの。

次のいずれかに該当する種

【確実な情報があるもの】

  • ⼤部分の個体群で個体数が⼤幅に減少している。
  • ⼤部分の⽣息地で⽣息条件が明らかに悪化しつつある。
  • ⼤部分の個体群がその再⽣産能⼒を上回る捕獲・採取圧にさらされている。
  • 分布域の相当部分に交雑可能な別種が侵⼊している。
  • 次のいずれかの形で個体群の減少が⾒られる場合。
    • 過去10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間を通じて、50%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっており、且つ理解されており、且つ明らかに可逆的である。
    • 過去10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間を通じて、30%以上の減少があったと推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。
    • 今後10年間もしくは3世代のどちらか⻑期間を通じて、30%以上の減少があると予測される。
    • 過去と未来の両⽅を含む10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間において30%以上の減少があると推定され、その原因がなくなっていない、理解されていない、あるいは可逆的でない。
  • 出現範囲が400㎢未満もしくは⽣息地⾯積が40㎢未満であると推定され、また次のうち2つ以上の兆候が⾒られる場合。
    • ⽣息地が過度に分断されているか、10以下の地点に限定されている。
    • 出現範囲、⽣息地⾯積、成熟個体数等について、継続的な減少が予測される。
    • 出現範囲、⽣息地⾯積、成熟個体数等に極度の減少が⾒られる。
  • 個体群の成熟個体数が10,000未満であると推定され、さらに次のいずれかの条件が加わる場合。
    • 10年間もしくは3世代のどちらか⻑い期間に10%以上の継続的な減少が推定される。
    • 成熟個体数の継続的な減少が観察、もしくは推定・予測され、かつ次のいずれかに該当する。
      • 個体群構造が次のいずれかに該当
        • 1,000以上の成熟個体を含む下位個体群は存在しない。
        • 1つの下位個体群中にすべての成熟個体が属している。
      • 成熟個体数の極度の減少
  • 個体群が極めて⼩さく、成熟個体数が1,000未満と推定されるか、⽣息地⾯積あるいは分布地点が極めて限定されている場合。
  • 数量解析により、100年間における絶滅の可能性が10%以上と予測される場合。
準絶滅危惧 Near Threatened(NT)

存続基盤が脆弱な種

現時点での絶滅危険度は⼩さいが、⽣息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位カテゴリーに移⾏する要素を有するもの。

次に該当する種

⽣息状況の推移から⾒て、種の存続への圧迫が強まっていると判断されるもの。具体的には、分布域の⼀部において、次のいずれかの傾向が顕著であり、今後さらに進⾏するおそれがあるもの。

  • 個体数が減少している。
  • ⽣息条件が悪化している。
  • 過度の捕獲・採取圧による圧迫を受けている
  • 交雑可能な別種が侵⼊している。
情報不⾜ Data Deficient (DD)

評価するだけの情報が不⾜している種

次に該当する種

環境条件の変化によって、容易に絶滅危惧のカテゴリーに移⾏し得る属性(具体的には、次のいずれかの要素)を有しているが、⽣息状況をはじめとして、カテゴリーを判定するに⾜る情報が得られていない種。

  • どの⽣息地においても⽣息密度が低く希少である。
  • ⽣息地が局限されている。
  • ⽣物地理上、孤⽴した分布特性を有する(分布域がごく限られた固有種等)。
  • ⽣活史の⼀部⼜は全部で特殊な環境条件を必要としている
絶滅のおそれのある地域個体群 Threatened Local Population(LP)

地域的に孤⽴している個体群で、絶滅のおそれが⾼いもの。

次のいずれかに該当する地域個体群

  • ⽣息状況、学術的価値等の観点から、レッドデータブック掲載種に準じて扱うべきと判断される地域個体群で、⽣息域が孤⽴しており、地域レベルで⾒た場合絶滅に瀕しているかその危険が増⼤していると判断されるもの。
  • 地⽅型としての特徴を有し、⽣物地理学的観点から⾒て重要と判断される地域個体群で、絶滅に瀕しているか、その危険が増⼤していると判断されるもの。
(注1)
種:動物では種及び亜種、植物では種、亜種及び変種(⼀部に品種を含む)を⽰す。
(注2)
過去10年間もしくは3世代:1世代が短く3世代に要する期間が10年未満のものは年数を、1世代が⻑く3世代に要する期間が10 年を超えるものは世代数を採⽤する。